2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物におけるエピジェネティックな遺伝子発現制御を利用した新規機能性成分の分析系
Project/Area Number |
22658001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金澤 章 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30281794)
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Keywords | 植物 / 機能性成分 / エピジェネティクス / シトシンメチル化 / 転写抑制 |
Research Abstract |
植物成分の新規機能性成分を同定することを目的とし、エピジェネティックな機構による転写不活性化を受けている状態にあるレポーター遺伝子を持つ形質転換植物を利用して、その不活性化状態を解除する効果を持つ植物成分のスクリーニング系の開発を行った。それは、以下の二つの段階を含む方法による。1)低分子二本鎖RNAの持つ機能を利用して、植物に導入されているレポーター遺伝子の転写制御を行うプロモーター配列中のシトシンメチル化を誘導し、レポーター遺伝子を転写不活性化状態にする。2)自殖により得た次世代の植物に対して、シトシンメチル化を抑制する効果を持つ物質を与えた場合に起きるレポーター遺伝子発現の復帰を指標にして、物質をスクリーニングする系を確立する。この方法を確立するための第一段階として、新規なRNAウイルスのベクターのクローニングサイトにCaMV35Sプロモーターの配列を挿入し、その核酸を持つウイルスを、CaMV35Sプロモーターの制御下で転写されるGFP遺伝子をゲノムに組み込んであるNicotiana benthamiana植物体に対して接種した。これにより、このプロモーターのメチル化およびGFP遺伝子の転写不活性化が誘導された。また、次世代の植物においてもシトシンのメチル化および転写不活性化の状態が維持されていることを確認した。1植物体を多数育成し、スクリーニングに使用する自殖種子を得た。この種子を無菌培地に播種し、植物体を育成した。その際、培地中に5-azacytidine、および、trichostatin Aを正の対照として加え、植物体においてメチル化抑制およびGFP遺伝子の転写抑制解除が起きることを確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Soybean stem growth habit gene Dt1 is an orthologue of Arabidopsis TFL12010
Author(s)
Liu, B., Watanabe, S., Uchimiya, T., Kong, F., Kanazawa, A., Xia, Z., Nagamatsu, A., Arai, M., Yamada, T., Kitamura, K., Masuta, C., Harada, K. and Abe, J
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Journal Title
Plant Physiol
Volume: 153
Pages: 198-210
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Two coordinately regulated homologs of FLOWERING LOCUS T are involved in the control of photoperiodic flowering in soybean2010
Author(s)
Kong, F., Liu, B., Xia, Z., Sato, S., Kim, B., Watanabe, S., Yamada, T., Tabata, S., Kanazawa, A., Harada, K. and Abe, J
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Journal Title
Plant Physiol
Volume: 154
Pages: 1220-1231
DOI
Peer Reviewed
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