2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物におけるエピジェネティックな遺伝子発現制御を利用した新規機能性成分の分析系
Project/Area Number |
22658001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金澤 章 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30281794)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / 機能性成分 / エピジェネティクス / シトシンメチル化 / 転写抑制 |
Research Abstract |
植物成分の持つ未知の機能を探索する観点から、エピジェネティックな機構による転写不活性化を受けている状態にあるレポーター遺伝子を持つ形質転換植物を利用して、その不活性化状態を解除する効果を持つ植物成分のスクリーニング系を開発することを目的として研究を行った。 これまでの研究過程において、RNA機能を利用した DNAのメチル化を介して転写が不活性化された状態にあるCaMV 35Sプロモーターに制御されたGFP遺伝子を持つNicotiana benthamiana植物体を作出した。この植物体由来の種子を、既知のメチル化抑制効果を持つ物質を添加した培地に播種して植物体を育成し、レポーター遺伝子の転写抑制状態の解除を指標として、DNAのメチル化抑制効果を検出する系を確立した。また、ダイズ種子に多く含まれるイソフラボンの一種、ゲニステインがこの効果を持つことを見出した。今年度は、より再現性の高いアッセイ系を確立するため、自然に起きたエピジェネティックな変化により、より安定に転写不活性化された、CaMV 35Sプロモーターに制御される外来のカルコン合成酵素遺伝子を持つペチュニアを用いて、同様の実験を行った。その結果、上記のGFP遺伝子を用いた時と同様に、メチル化抑制効果を持つと想定される物質の作用により、外来遺伝子のmRNA量の増加ならびにプロモーターのメチル化頻度の低下が検出された。これらの効果は、既知のメチル化抑制物質に加え、上記の系で新たにその効果を見出したゲニステインに関しても検出された。以上の研究により、転写が不活性化された状態にある外来遺伝子を持つ植物を利用して、物質の持つDNAのメチル化抑制効果を検出する二つの系を開発するとともに、植物においてその活性を持つ新規の物質を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)