2011 Fiscal Year Annual Research Report
トルコギキョウの高密度RADマーカーの開発による優性八重咲き遺伝子の解析
Project/Area Number |
22658007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河鰭 実之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (10234113)
|
Keywords | トルコギキョウ / DNAマーカー / 八重咲き / 次世代シークエンサー / ABCモデル |
Research Abstract |
1.花器官形成に関与する遺伝子群の解析 次世代シークエンサーにより得られたEST配列データを元に,花器官の形成に関与する遺伝子を単離した.Aクラス遺伝子を2つ,Bクラス遺伝子を4つ,Cクラス遺伝子を2つ,Eクラス遺伝子を4つ得た.これらの花器官における発現を調べたところ,シロイヌナズナにおけるABCモデルと一致する発現パターンを示した. 2.F2世代の形質評価 F2世代では,ホール数が明らかに2以上の八重と,ホール数は増えず花弁数が数枚増える花とが見られた.花弁数7以上のものを八重咲きとしてカウントすると八重咲きと一重咲きの個体数は53:35であった.この比率は3:1とは有意に異なり,少なくとも2遺伝子以上が関与している可能性を示した.しかし,八重咲き性は,温度条件の影響を受けるので,適温でないために一重となった株もあった可能性もあった,F3世代以降を採種し,温度範囲を広げてより正確な形質を評価することが必要と考えられる. 3.一重咲き系統と八重咲き系統間におけるDNA多型 RADマーカーとは,制限酵素サイト近傍の配列におけるSNP多型を利用したマーカーであり,ゲノム情報を予め必要とせずに開発することができる.本研究においては,八重咲き系統'620'と一重咲き系統'503'のゲノムDNA塩基配列を,次世代シークエンサーを用いて40Gbずつ解読した.これらの配列について,アセンブルを行うとともに,制限酵素サイト近傍のSNPの検索を行った.また,RADマーカーのライブラリを作成し,次世代シークエンサーによって配列を網羅的に決定し多型マーカーを開発することも行っている.これらについてはデータ解析中である.
|