2010 Fiscal Year Annual Research Report
ピタヤのアラビノガラクタンはバイオエタノールの原料となり得るか
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22658010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野村 啓一 神戸大学, 農学研究科, 教授 (60252798)
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Keywords | バイオエタノール / ピタヤ / アラビノガラクタン / 糖質加水分解酵素 |
Research Abstract |
本年度はまず各種合成基質を用いて糖質分解酵素群の活性測定,および生育改善に向けた光合成生理の解析を行った.酵素活性については,pNP-Ara,pNP-Xyl,pNP-β-Gal,pNP-α-Man,ρNP-β-Man,ρNP-α-Glc,ρNP-β-Glcいずれの合成基質に対しても明確な活性は認められなかった.また,この中でpNP-Araの対象である,Arabinofuranosidaseについては,既報の他の植物由来の酵素における相同性に基づいて,degenerate primerを設計し,RT-PCRおよびゲノムに対するPCRを行った.これに続いてTA-クローニングの後配列解析を行ったが,明確な該当断片は得られなかった.一方,光合成特性については,ピタヤのCAM型光合成における主要酵素である,Phosphoenolpyruvate carboxylase(PEPC)とNADP-Malic enzyme(NADP-ME)の二つの酵素を中心に解析した.その結果,NADP-MEは一つのisoformだけであったのに対し,PEPCには酵素学的特性の異なる二つのisoformが発現していることを明らかにした.また,両酵素ともに種々の代謝中間物によって活性が制御されていうことも明らかにした.両酵素のPCRクローニングを試み,現時点でいずれも約90%の解析が完了した.なお,これらと並行して,中性糖,ウロン酸,水溶性多糖,アルカリ可溶性多糖それぞれの月別の変化についても,当年枝と一年枝についての測定を継続中である.
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