2011 Fiscal Year Annual Research Report
カキエタノール生合成遺伝子発現に基づく新規脱渋理論の構築と渋ガキ品種の甘ガキ化
Project/Area Number |
22658011
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板村 裕之 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80109040)
鉄村 琢哉 宮崎大学, 農学部, 教授 (00227498)
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Keywords | 渋ガキ / 遺伝子組み換え / アルコール脱水素酵素 / ピルビン酸脱炭酸酵素 |
Research Abstract |
本研究は、申請者らが提唱している新規脱渋概念「エタノールポジティブフィードバック制御説」の理論構築を脱渋難易性の異なる品種を用いて、エタノール生合成経路遺伝子の発現解析を行い確立し、脱渋性の異なる品種を見分けるMASの開発と同時に、渋ガキをエタノール生合成経路遺伝子の過剰発現個体や発現抑制個体を遺伝子組み換えにより作出し、渋ガキを甘ガキ化し、理論を実証することを最終目的として実験を行った。ピルビン酸脱炭酸酵素(PDC)遺伝子(DkPDC2)においては、センス方向に接続したバイナリーベクターを、さらにアルコール脱水素酵素(ADH)遺伝子(DkADH1)をアンチセンス方向に接続バイナリーベクターを構築し、渋ガキ品種'西条'および'平核無'、甘ガキ品種'次郎'培養シュートを用いて、アグロバクテリウム法による感染を行った。ピルビン酸脱炭酸酵素(PDC)遺伝子(DkPDC2)の過剰発現体については、まだ組み換え個体は得られていないが、アルコール脱水素酵素(ADH)遺伝子(DkADH1)においては、平核無由来の組み変え体を2個体得て、発根させることに成功した。さらに、VDG(volatile Dependent Group)の中の脱渋性決定のKey遺伝子と考えられるDkPDC2について,ゲノムライブラリーから全長をクローニングし、2kbにわたるプロモーター領域の配列を、PVNA、PVA、PCAの各品種から得て、比較を行ったところ、ゲノムのメチル化が要因として大きな役割を果たしている可能性を見いだした。PVNA由来のプロモーター配列は、種子での遺伝子発現プロモーターとしての利用が可能であり、今後の形質転換体作成実験に利用できる状態となっている。
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Research Products
(5 results)