2010 Fiscal Year Annual Research Report
自然栽培リンゴ樹の自然免疫獲得機構と葉・根圏微生物相互作用の大規模塩基配列解析
Project/Area Number |
22658012
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐野 輝男 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30142699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 明子 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40362652)
種田 晃人 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70332492)
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Keywords | リンゴ葉圏微生物 / 病害抑制 / 微生物多様性 / マクロアレイ診断 / 根圏微生物 / 大規模塩基配列解析 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
1.リンゴ樹葉圏微生物群の大規模塩基配列解析;自然農法栽培と慣行栽培の病害発生状況を定期的(5月~11月)に観察し、採集した葉からリンゴ葉圏微生物診断用マクロアレイ法で、時期別の葉面微生物の多様性を分析した。分析結果を基に6月12日と8月6日の採集試料を選定し、各園3反復、合計6サンプルから全DNAと全RNAを抽出した。PCR法で、菌類はリボソームDNA-ITS領域の一部(約500bp)を、細菌類はリボソーム小サブユニット遺伝子の一部(約500bp)を増幅し、ノーマルシークエンス(ABI)と次世代シークエンス(ロシュGS FLX)解析を行なった。前者では、PCR産物をクローニング後、各試料(細菌と真菌で合計12サンプル)から50個ずつ合計600個のcDNAクローンを選抜して、順じ塩基配列を解析し、バイオインフォマティクスによりDNAデータベースに登録された菌類と細菌類の該当遺伝子配列と照合し、各微生物の種類とその検出頻度を分析した。 2.リンゴ樹根圏微生物群の大規模塩基配列解析の試料調製準備;同上の対象園地の調査結果から、病害発生量増加のキーとなる時期・地点を各園地1点選定し、リンゴ樹の根圏(主幹から半径1メートルの地点)から土壌試料を採集した。各試料(各3反復、合計6点)から良質なDNA試料を調製する手法を確立し、PCR法で、菌類はリボソームDNA-ITS領域の一部(約500bp)を、細菌類はリボソーム小サブユニット遺伝子の一部(約500bp)を増幅した結果、根圏では葉圏より多様な微生物種の増幅バンドパターンを確認した。 3.リンゴ葉圏微生物群の適応・進化に関する分析と考察;根圏微生物群分析の基盤となる土壌DNA調製技術の条件検討が終了した。次世代シークエンスにより得られる大規模塩基配列データの分析法に関して現在検討・整備している。
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Research Products
(4 results)