2010 Fiscal Year Annual Research Report
寄生蜂胚の宿主に対する「分子擬態」解明のための基礎的研究
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22658015
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩淵 喜久男 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00203399)
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Keywords | 社会性昆虫 / 寄生蜂 / 発生 / 擬態 / 細胞認識 |
Research Abstract |
研究計画に従い、下記の2点について解析した。 1.細胞認識分子候補である糖鎖とレクチン、ならびに細胞接着因子について、分子切断と競合阻害の処理実験による解析をおこなった。寄生蜂桑実胚と宿主胚を共存培養し、以下の操作を行った時の侵入率への影響を調べた。 1)糖結合性タンパク質(レクチン)の関与について、糖の環構造の開裂、糖鎖の切断、添加糖による競合、ならびに添加レクチンによる競合実験をおこなった。その結果、過ヨウ素酸ナトリウム、Endo-Hの添加により侵入率の低下が認められた。8種類の糖を用いた競合実験より、フコースの関与が認められた。さらに数種レクチンのうち、AAAの添加による阻害効果が認められた。これらの結果より、寄生蜂胚上のレクチンが宿主胚表面のN型糖鎖上のフコースを認識していることが示唆された。 2)細胞認識後に起こる侵入に関わる細胞接着分子について、カルシウムイオンの関与の確認と細胞接着分子の阻害実験により調べた結果、E-カドヘリンを介した認識系が働いていることが示され、電子顕微鏡観察によってもギャップジャンクションの形成など、これを裏付ける結果が得られた。 2.侵入時に発現する遺伝子群について、クローニングをおこなうとともに、遺伝子情報を基にした関連分子の候補特定をおこなった。これまでに600以上の遺伝子について塩基配列を決定し、その中には細胞運動、細胞認識、細胞接着をはじめ関連がうかがわれるものが得られた。これらについて遺伝子情報の解析をおこなうとともに、関連遺伝子の探索を進めた。
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Research Products
(2 results)