2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタボローム解析から俯瞰するシロアリの高効率セルロース分解・代謝系
Project/Area Number |
22658018
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
徳田 岳 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (90322750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 淳 理化学研究所, 先端NMRメタボミクスチーム, チームリーダー (00321753)
守屋 繁春 理化学研究所, 分子情報生命科学特別ユニット, 専任研究員 (00321828)
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Keywords | 昆虫生理 / セルロース分解 / 酵素反応 / 糖 / 木質バイオマス |
Research Abstract |
前年度は^<13>C-セルロースを摂食させたオオシロアリの消化管を解剖し、経時的に代謝物のNMRスペクトルを観察した。本年度は最終年度であることから前年度の解析によって蓄積されたデータの解析と補強に努め、研究結果の取りまとめを行った。 具体的には前年度に同定された代謝物データの多様性を解析し、経時データにおける各代謝物の量的変動をセルロース分解・代謝に関連する因子を中心に明らかにした。特に統計的解析の結果、セルロース分解に沿って現れるセロビオースやグルコース、グルコース6リン酸やフルクトース6リン酸に加えて、グルコース1リン酸が同様の挙動を示していることが明らかとなった。また、一部のアミノ酸は他の代謝物とは異なる挙動を示すことも明らかとなった。 さらに、本年度は追加的実験としてデータの再現性を確認するために、通常の摂食状態にあるオオシロアリと、^<13>C-セルロースを24時間接触させたオオシロアリについて、それぞれ3グループずつ2次元NMRによる代謝物解析を行った。その結果、いずれの場合でも糖類は前腸で、その他の代謝物は後腸で強いシグナルが得られた。 以上の結果から、シロアリセルロース消化系におけるセルロース初期代謝経路とそれにともなう微生物の関与、特にアミノ酸生合成について極めて重要な知見を得ることができた。今後、さらにデータ整琿を行い、原著論文にまとめる予定である。
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Research Products
(3 results)