2011 Fiscal Year Annual Research Report
カイコ蛋白質合成システムにおける非天然アミノ酸許容性の解明とその人為的拡張
Project/Area Number |
22658019
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
寺本 英敏 独立行政法人農業生物資源研究所, 新機能素材研究開発ユニット, 主任研究員 (60391562)
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Keywords | 昆虫 / カイコ / 蛋白質 / バイオテクノロジー / 非天然アミノ酸 |
Research Abstract |
本年度は以下の2点を中心に実施し、今後の研究推進に重要な成果を得た。 1.改変型アミノアシル-tRNA合成酵素による非天然アミノ酸認識のin vitroアッセイ カイコ由来のフェニルアラニル-tRNA合成酵素(PheRS)およびメチオニル-tRNA合成酵素(MetRS)それぞれについて、in vitroでのアミノアシル化アッセイを前年度に引き続き実施した。その結果、カイコPheRSのAla450およびThr415に対してそれぞれ側鎖官能基が小さくなるようなアミノ酸置換を導入した変異体がin vitroにおいてアジド基等の反応性官能基を有する非天然アミノ酸の認識に機能することを明らかにした。また、野生型MetRSおよびLeu264にアミノ酸置換を導入した2種の変異型MetRSをリコンビナント発現してそのアミノアシル化活性をin vitroで測定したところ、野生型ではアミノアシル化活性が見られたが改変型では活性が消失することが分かった。 2.カイコ培養細胞を用いた非天然アミノ酸の取り込みアッセイ PheRSのAla450Gly変異体を過剰発現させたカイコ由来培養細胞(BmN)をパラ位にCl基を持つフェニルアラニン(Phe)類縁体の存在下培養し、レポータータンパク質としてGFPを同時に発現させた。発現したGFPを精製してトリプシン消化し、質量分析によりPhe類縁体の取り込みを解析したところ、天然のPheの一部がCl基を持つPhe類縁体に置換されているこどを明らかにした。これにより、生理条件下において改変型PheRSが非天然アミノ酸の取り込みに機能することを確認した。
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