2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 悦郎 東京大学, 大学院・農学生命化学研究科, 教授 (10130303)
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Keywords | カドミウム / bathocuproinesulfonat / コマツナ / カドミウム結合物質 / TPPS / チオール基 |
Research Abstract |
Cdに特異的に結合する物質を探索するために、ポストラベル剤としての合成ポルフィリン、5,10,15,20-tetrapheny1-21H,23Hporphinetetrasulfonic acid(以下TPPS)の適用を図った。すなわち、TPPSは410nmに吸収極大を有するが、これがCdと錯体を形成することで吸収極大が460nmにシフトすることを利用したものである。これにより、従来のCu(1)との親和性を程度を指標として分析を行っていたのに対して、本法はCd(II)との親和性を指標とするために、Cd(II)親和性物質探索における確度が上昇するものと考えられる。 上記と平行して、植物中のCd結合物質の分析を行った。検出はCu(I)-bathocuproinesulfonate錯体の脱消光を用いた。また、Cdはチオール基と高親和性を示すが、チオール基は空気中の酸素で酸化されてジチオールになりやすい。このために、試料の還元について検討した。酸化型のグルタチオンをモデル化合物として、種々の還元剤を検討し、水素化ホウ素ナトリウムが最適であることを突き止めた。 Cd存在下で栽培したコマツナの分析に上記方法を適用した。試料を凍結粉砕し、還元剤(100 mM NaBH4)存在下、弱アルカリ性溶液(50 mM NaHCO3)で抽出後、2% TFAで1.5倍に希釈して酸性にして分析を行った。Cdストレスでコントロールサンプルに対して増加するピークを確認し、構造解析を行っている。
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