2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658022
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (80260389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 直樹 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (00444646)
|
Keywords | アルミニウム / 結合ペプチド / 耐性 / 転写因子 |
Research Abstract |
イネは高いアルミニウム耐性を有するが、その耐性分子機構についてはまだ明らかではない。本研究では、イネのアルミニウム耐性転写制御因子ART1の下流にある遺伝子CDT3について機能解析を行った。CDT3は僅か53アミノ酸のペプチドをコードし、そのうち14個のアミノ酸はシステンであった。この遺伝子は主に根で発現していて、その発現量はアルミニウムによって誘導された。しかし、OsCDT3の発現は他の金属(カドミウムとランタン)や低pHには応答しなかった。またart1変異体では、アルミニウムによる発現誘導が見られなかった。CDT3の組織局在をpOsCDT3-GFP形質転換植物を用いて解析した結果、根の先端のすべての細胞に局在していることがわかった。またGFP-OsCDT3融合遺伝子をタマネギの表皮細胞に一過的に発現させて、細胞内局在を調べたところ、細胞膜に局在していた。OsCDT3の発現を抑制するために、RNAiラインを作成して、アルミニウム耐性を調べた。その結果、OsCDT3の発現を低下させると、アルミニウム耐性が弱くなった。さらに、酵母にOsCDT3を発現すると、アルミニウム耐性が高くなり、細胞内のアルミニウム濃度が減少した。しかし、カドミウム耐性に対する効果は見られなかった。これらのことからOsCDT3はイネの高いアルミニウム耐性に寄与している因子の一つで、アルミニウムを細胞内に輸送しないようにアポプラストで無毒化している可能性がある。
|
Research Products
(1 results)