2010 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体形質転換に利用するためのアグロバクテリウム菌の改変
Project/Area Number |
22658025
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野川 優洋 信州大学, 繊維学部, 准教授 (10283037)
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Keywords | 微生物遺伝・育種 / DNA伝達 / Agrobacterium tumefaciens / 形質転換 / 葉緑体 |
Research Abstract |
本研究では植物の形質転換に良く使用されているA.tumefaciens LBA4404株、ゲノム配列が公開されているA.tumefaciens C58株、強病原性のA.tumefaciens由来で植物への形質転換能が高いことが知られているEHA101株を実験材料に使用した。T-DNAを植物の核へ輸送するタンパク質VIRD2,VIRE2の遺伝子をこの3種の菌のTi plasmid DNAからPCR法によってクローニングした。LBA4404株ではゲノムDNA情報はおろかTi plasmid DNAのDNA配列も報告されていなかったが、本研究からBA440株のTi plamid DNA(pTiAch5)上の両遺伝子はC58株のTi plasmid(pTiC58)上の遺伝子ではなくEHA101株のTi plasmid DNA(pTiBo542)上の遺伝子と相同性が高いことが明らかになった。 VIRD2、VIRE2タンパク質の核への局在性を不活化させるために、NLS配列に変異を導入した。これらの遺伝子の推定アミノ酸配列からNLSを比較したところC58株のvirD2遺伝子で明らかにされているbipartite NLSと一致する部位にLBA4404株の遺伝子ではNLSを検出できたが、EHA101株の遺伝子ではC58株でNLSが存在する部分にあるNLSは不完全な形であり、約60アミノ酸上流に完全な形のNLSが存在していた。これらのNLSのコンセンサスアミノ酸配列K(K or R)X(K or R)にPCR法で変異導入し、AAXAのアミノ酸配列となるように改変した。
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