2011 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体形質転換に利用するためのアグロバクテリウム菌の改変
Project/Area Number |
22658025
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野川 優洋 信州大学, 繊維学部, 准教授 (10283037)
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Keywords | 微生物遺伝・育種 / DNA伝達 / Agrobacterium tumefaciens / 形質転換 / 葉緑体 |
Research Abstract |
本研究では植物の形質転換に良く使用されているA.tumefaciens LBA4404株、ゲノム配列が公開されているA.tumefaciens C58株、強病原性のA.tumefaciens由来で植物への形質転換能が高いことが知られているEHA101株を実験材料に使用した。 昨年度の研究で、T-DNAを植物の核へ輸送するタンパク質VIRD2、VIRE2の遺伝子をこの3種の菌のTi plasmid DNAからPCR法によってクローニングし、これらのタンパク質の有する核局在化シグナル(NLS)のコンセンサス配列K(K or R) X (K or R)にPCR法により変異を導入しAAXAとなる変異遺伝子を作成した。 本年度はこの変異タンパク質の植物細胞内での局在性を確認するために、まずgfp遺伝子をこれらの変異vir遺伝子のC末端側に結合させたレポーター遺伝子を作成した。このレポーター遺伝子をアグロバクテリウム法でタバコBY-2細胞に形質転換した。野生型VIRD2、VIRE2とGFPの融合タンパク質は核に輸送され、変異型のvir遺伝子のレポータータンパク質は細胞質に局在した。 現在、サツマイモのポリフェノールオキシダーゼの葉緑体移行シグナル(PTS)をクローニングし、変異型VIRD2、VIRE2タンパク質のN末端側にPTSを融合した融合遺伝子の作成をこれらの変異遺伝子を発現させるために必要なA.tumefaciens virD2、virE2遺伝子欠損株の作成を行っている。
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