2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度不飽和脂肪酸含有リン脂質のシャペロン機能の解明と膜タンパク質高生産への応用
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22658028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (70243087)
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Keywords | 高度不飽和脂肪酸 / エイコサペンタエン酸 / リン脂質 / 膜タンパク質 / ポーリン / フォールディング |
Research Abstract |
エイコサペンタエン酸 (EPA) はリン脂質のアシル鎖として動物や海洋性低温細菌の生体膜で機能している。低温菌 Shewanella livingstonensis Ac10 においては、EPA の欠損によって低温誘導性ポーリン (Omp74) のフォールディング状態が変化することがわかった。本菌の細胞膜に最も多く存在するパルミトレイン酸を有するホスファチジルエタノールアミン (PE) とホスファチジルグリセロール (PG)、および sn-2 位に EPA を導入した PE、PG から成るリポソームを作製し、精製した Omp74 を再構築した結果、EPA は Omp74 のフォールディングを促進させることがわかった。Omp74 とリポソームを 18℃で 72 時間静置し、トリプトファン蛍光スペクトル解析を行った。その結果、EPA 存在下で Omp74 のトリプトファンの蛍光強度が減少したことから、Omp74 は EPA含有リン脂質に依存してトリプトファン残基周辺の pH 環境を変化させるものと考えられた。また、Omp74 を再構成したリポソームを用いて Omp74 の膜透過活性を解析した結果、Omp74 はアラビノースの膜透過活性をもつことが示され、ポーリンとして機能することがわかった。Omp74 の膜透過活性に対する EPA 含有リン脂質の影響を解析するために、Omp74 を介して様々な分子量のポリエチレングリコールを透過させた。その結果、EPA の有無は Omp74 の膜透過活性に影響しなかった。以上の結果から、EPA の有無は、Omp74 の膜孔形成とは関連しないドメインの構造変化に影響することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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