2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658034
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
菊池 洋 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40273320)
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Keywords | RNA / 細菌 / 胞子 / プローブ / 核酸 |
Research Abstract |
本年度は、RNAアプタマー選択についてのまったく新しい方法の開発を試み、一定の成果を上げた。これまで、RNAアプタマーの選択は、一般に次のステップで行われている。1)ランダム配列を含むRNAの調製、2)このRNA集団と標的との接触、3)結合能の無いまたは弱いRNA種の洗浄による除去、4)結合能のあるRNAの回収、5)RT-PCRによる回収RNAのcDNAへの変換と増幅、6)cDNAを転写することによる第二世代のRNA集団の調製、そして上記2)以下を繰り返す。これら2)~6)のステップを数サイクル行うことにより、標的との親和性の大きなRNAをるのが一般的である。文献的には成功例が述べられるため、このアプタマー選択法は一般に完成した方法と理解されているが、実際には、多くの失敗例がある。ここまで、微生物を標的にして、高い親和性をもつアプタマーはこの方法では得られていない。結合能評価は多くの場合数サイクル後に得られたRNAの標的への結合アッセイにより行われるため、RNAアプタマーが得られない場合、不成功の原因追求は簡単ではなく、操作自体も手間、時間、コストのかかる方法である。本年度、分子間相互作用の速度論的解析(シミュレーション)を基に、静的な結合定数K_dではなく、結合速度定数k_<ON>と遊離速定数k_<OFF>を考慮に入れた方法を開発した。実際には、結合反応の時間の考慮、洗浄液の量や時間などを従来法と大きく変えた方法である。数種類の標的を用いたモデル実験において、手間、コスト、また時間のかからない、RNAアプタマー選択法の開発に向けて、良い結果を得ることができた。これを基に今後微生物を標的としたRNAアプタマーの創製を行う。
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Research Products
(9 results)