2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22658037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
作田 庄平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (80192087)
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Keywords | 標的タンパク質 / 2量体化 / プローブ / アロサミジン / プレコセン |
Research Abstract |
微生物や植物の二次代謝産物から種々の生物活性物質が得られる。新しい生物活性の場合、活性物質の作用機構は不明な場合が多い。作用機構の解明は基礎、応用両面から重要である。中でも標的分子の同定は最重要課題である。しかし現存の手法では非常に困難である。より簡便な方法の開発が強く望まれる。本研究では標的タンパク質の新たな同定法の開発に挑戦する。ポイントはリガンドをダイマー化したプローブを利用する点である。プローブと結合し分子量が倍化するタンパク質をプロテオーム解析により同定し標的分子をとらえる手法の開発を試みる。キチナーゼ阻害物質アロサミジンをモデル化合物として実験を行った。アロサミジンのモノ脱アセチル化により得られたモノアミン体について、BM(PEG)_2をスペーサーにした2量体化を試みた。モノアミン体とBM(PEG)_2を種々のモル比で混合し、DMF中塩基性条件で反応させた。その結果、収率は良くないものの2量体の生成が認められた。今後収率の向上を検討し、得られた2量体のキチナーゼ阻害活性を調べる。さらにフォトアフィニティ部位を持ったスペーサーを検討する。トリコテセン化合物の特異的生産阻害剤であるprecocene IIの6位をアルキル基で修飾した誘導体を作製し、6位修飾により活性が比較的維持されることを見出した。今後、6位を足場に2量体化を行い、活性を調べ、標的タンパク質の同定に利用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キチナーゼ阻害物質アロサミジンの2量体化に成功した。トリコテセン生産阻害物質precocene IIについては2量体化の足掛かりが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
アロサミジン2量体でキチナーゼ阻害活性を保持したプローブを作製する。プローブとキチナーゼの複合体をキチナーゼ2量体として検出し、2量体化プローブを用いた標的タンパク質検出のモデル実験系を完成させる。また、precocene IIの2量体プローブの作製を行い、標的タンパク質の同定に利用する。
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Research Products
(3 results)