2010 Fiscal Year Annual Research Report
シアル酸をモチーフにした血液脳関内通過DDSキャリアの開発
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22658038
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木曽 真 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90092931)
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Keywords | シアル酸 / 血液脳幹門 / 薬剤送達システム |
Research Abstract |
本研究は3つの部分から構成される。1つはリポソームの調製であり、2つめは指向性を有する糖鎖の構築とそれを用いたリポソームの修飾である。最終的に糖鎖修飾リポソームのDDSキャリアーとしての指向性の評価である。 当該年度においては、第一段階の研究である、リポソームの調製を行った。リポソームの調製において主体となるリン脂質に加えて、ガングリオシド(シアル酸を有するスフィンゴ糖脂質)の添加が有効であることが知られている。その添加剤として牛の脳などから抽出したガングリオシドが用いられてきたが、希少性や不均一性の問題からリポソームの大量調製が阻まれており、本研究では、化合合成ガングリオシドによる代替が可能がどうかを検討した。抽出ガングリオシドの主要成分であるGM3に着目し、糖鎖部分の構造-活性相関、脂質部分の構造活性相関を検討し、合成コストの点も勘案し、安価で大量合成が可能なガングリオシドとして植物型セラミド含有GM3をリード化合物として見出した。それを用いてリポソームを調製した。さらに得られたリポソームは、粒子径、分布、ゼータ電位などが抽出ガングリオシド含有リポソームと同等であることが明らかになった。炎症部位に発現するセレクチンとそのリガンド糖鎖であるシアリルイスXをモデルとして当該リポソームの指向性を評価したところ、抽出ガングリオシドを用いたリポソームと同等、あるいはそれ以上の良好な結果を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A first total synthesis of a hybrid-type ganglioside associated with amyotrophic lateral sclerosis like disorder2011
Author(s)
Nakashima, S., Ando, H., Imamura, A., Yuki, N., Ishida, H., Kiso, M.
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 17
Pages: 588-597
Peer Reviewed
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[Journal Article] A cyclic glucosyl ceramide acceptor as a versatile building block for complex ganglioside synthesis2010
Author(s)
Fujikawa, K., Nohara, T., Imamura, A., Ando, H., Ishida, H., Kiso, M.
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Journal Title
Tetrahedron Lett.
Volume: 51
Pages: 1126-1130
Peer Reviewed
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[Book] コールドスプリングハーバー糖鎖生物学第2版2010
Author(s)
秋元義弘, 安形高志, 安藤弘宗, 池北雅彦, 石田秀治, 岡島徹也, 掛樋一晃, 神奈木玲児, 木曽真, 北島健, 木下タロウ, 木全弘治, 久野淳, 佐藤ちひろ, 鈴木康夫, 竹川薫, 館野浩章, 谷口直之, 永井尚子, 羽渕脩躬, 浜村和紀, 平林淳, 古川圭子, 古川鋼一, 堀戸重臣, 宮坂昌之, 矢部富雄, 山内祥生
Total Pages
651
Publisher
丸善
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