2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア呼吸鎖酵素の超感度アッセイを実現する伝導性キノン修飾電極の開発
Project/Area Number |
22658039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三芳 秀人 京都大学, 農学研究科, 教授 (20190829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 健司 京都大学, 農学研究科, 教授 (10152828)
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Keywords | ミトコンドリア / 修飾金電極 / ユビキノン / 呼吸鎖酵素 |
Research Abstract |
ミトコンドーリア呼吸鎖酵素系は、高性能の農薬の作用ターゲットとして近年再評価されてきている。極微量のミトコンドリア試料を使って超感度で呼吸鎖酵素の活性を評価できる斬新なアッセイ方法論が確立できれば、小型昆虫のミトコンドリアを対象とする呼吸鎖酵素阻害剤の開発研究を大幅に効率化できる。さらに、ヒトの組織など、極めて限られた量のミトコンドリア試料を用いなければならない生体エネルギー研究全般に及ぼす波及効果は大きい。これを実現するために、呼吸鎖酵素活性を電極反応に直結させ、電気化学的に解析することを可能にする伝導性キノン修飾金電極を合成・開発することを本研究の目的として研究を進めた。 本年度は、伝導性ユビキノンワイヤー分子の合成を完成に近づけることを計画し、ユビキノンのアルキル側鎖構造の改変に取り組んだ。天然ユビキノンが持つイソプレン構造をそのまま活かすために、キノン環直近には2つのイソプレン構造を残し、その末端に種々の疎水性を有するスペーサー(エーテル構造やアミド構造)を導入した。スペーサーの末端には、SH基や三重結合を導入した。三重結合はクリックケミストリーを利用して電極に結合させることを意図したものである。 また、自己集積単分子膜の絶縁性支持体として、末端にSH基を導入したポリエーテルあるいはポリアミド化合物を合成した。合成過程でSH基の部分酸化が避けられず問題となったため、アセチル体(-SAc)として合成し、そのまま金電極に結合させる戦略に変更した。電極表面における酸化還元反応に対する効果を元に評価した結果、アセチル体でも充,分に吸着することが確認できた。
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Research Products
(1 results)