2010 Fiscal Year Annual Research Report
腸管樹状細胞を介した食品免疫調節機能の次世代評価系の開発
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22658041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八村 敏志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40238019)
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Keywords | 樹状細胞 / 腸管 / 食品免疫学 / 機能性食品 / バイエル板 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
腸管樹状細胞は、腸管免疫系の応答調節に重要な役割を果たし、食品による免疫調節の標的となっている。しかしながら、現時点では、腸管樹状細胞はマウス等の実験動物から直接分離して実験する以外方法がなく、腸管から細胞を分離する困難さから、食品の腸管樹状細胞を介した免疫調節機能を評価することは困難である。そこで、本研究においては、食品の腸管樹状細胞を介した免疫機能を評価する次世代評価系を構築することを目的とする。 1.腸管型樹状細胞のin vitro誘導 本研究では、骨髄細胞からの腸管型樹状細胞誘導、腸管樹状細胞株の樹立をめざす。そのため本年度はまず、マウス骨髄細胞にGM-CSFを添加して誘導した樹状細胞へ遺伝子を導入する上でのエレクトロボレーションの条件について確定した。 2.腸管への局所注入による解析 生体内での腸管樹状細胞の挙動を解析する実験系を開発するため、卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞抗原レセプタートランスジェニックマウスを用い、OVAをマウス腸管のバイエル板へ局所注入した。その結果、バイエル板樹状細胞のIL-10発現が上昇した。さらに各組織のT細胞のIL-10発現が上昇し、制御性T細胞が誘導されたことが示唆された。本実験系が、腸管局所の抗原特異的T細胞応答における樹状細胞の挙動の評価に利用可能であると考えられた。
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