2010 Fiscal Year Annual Research Report
腸管のバリア機能維持に必須な因子としての、アスコルビン酸の新規生理機能の発掘
Project/Area Number |
22658042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀尾 文彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20165591)
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Keywords | アスコルビン酸 / ビタミンC / 腸管機能 / 炎症 / 急性期タンパク質 |
Research Abstract |
(1) AsA欠乏による腸管から門脈血中へのエンドトキシンの流入の証明 ODSラット(6週齢、雄)にAsA無添加飼料を与えるAsA欠乏群と、AsA300ppm添加飼料を与える対照群とをもうけて、14日目および18日目に解剖して門脈血を得た。門脈血中のエンドトキシンをトキシノメーターを利用した高感度測定法により測定したところ、正常個体では検出されないエンドトキシンがAsA欠乏群には50%以上の個体に検出されることを初めて見出した。 (2) AsA欠乏による肝臓急性期タンパク質および炎症性サイトカインの発現上昇と、門脈血中エンドトキシンの出現とが経時的に一致することの証明 AsA無添加飼料を摂取開始後、14日目には肝臓の発現上昇は全ての個体に見られるが、門脈血中のエンドトキシンは50~60%の個体のみに検出された。対照群ではエンドトキシンは検出されなかった。現在の結果では、両現象の出現は時期的に完全な一致は得られていない。18日目になっても全ての個体で門脈血エンドトキシンは検出されているわけではないことから、エンドトキシン検出感度以下の門脈血エンドトキシン濃度である可能性を考えている。 (3) AsA欠乏による腸管上皮の組織学的変化の検出 AsA欠乏18日目においては、回腸の絨毛長が対照群より短くなり、絨毛あたりの杯細胞の数が欠乏群で増加していた。この現象は、欠乏14日目にも観察された。よって、AsA欠乏は、小腸の組織学的変化を引き起こしていることが明らかとなり、このことが門脈血中にエンドトキシンが検出されることと関連があると推定された。
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[Journal Article] Coffee and caffeine ameliorate hyperglycemia, fatty liver, and inflammatory adipocytokine expression in spontaneously diabetic KK-Ay mice.2010
Author(s)
Yamauchi, R., Kobayashi, M., Matsuda, Y., Ojika, M., Shigeoka, S., Yamamoto, Y., Tou, Y., Inoue, T., Katagiri, T., Murai, A., Horio, F.
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Journal Title
J.Agric.Food Chem.
Volume: 58
Pages: 5597-5603
Peer Reviewed
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