2011 Fiscal Year Annual Research Report
石灰系固化材を混合した安定処理土による安心・安全な地盤づくり
Project/Area Number |
22658072
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森井 俊廣 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30231640)
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Keywords | 石灰系固化材 / 安定処理土 / 地震 / 地盤工学 / 環境技術 |
Research Abstract |
2004年,2007年と新潟県で連続して発生した大地震により,埋戻し地盤や宅地地盤で液状化による大きな被害が生じた。復興にあたり,特に宅地地盤に対して抜本的かつ地域的な液状化対策が必要とされている。おそらく地下水の低下が率先して求められる対策工法となるが,地域の安全,住民の安心の観点からは,二重三重のセーフディシステムあるいは付加対策が必要である。その一つの有力な選択肢として,地震被害の調査から有効性が確認できた石灰系固化材による安定処理工法がある。本研究では,実証的な試験検討により,安定処理士の耐液状化性能を明らかにするとともに,地下水位低下工法が破綻した際の強度保持特性を明らかにし,宅地等地盤における耐液状化技術について検討した。 第2年度では,石灰系固化材を用いた安定処理土の耐液状化性能を,一軸圧縮強さ試験により調べ,次の知見を得た。 ア)石灰系固化材を用いた安定処理土の標準的な添加量として,乾燥質量比5%で,耐液状化性能として必要な100~200kPaの一軸圧縮強さを確保できる。ただし,養生期間つまり施工後の時問経過とともにこの強さはかなり増大し,再掘削が容易であるとする石灰系固化材の使用上の利点が損なわれてしまう可能性がある。むしろ,少な目の添加量(たとえば本文の結果によると5%以下,2。5%以上の範囲)でも,強度の発現は遅いが,所要の耐液状化性能を保証できるのではないかと考えられる。 イ)石灰系固化材を添加したのち仮置きしても,速度は緩慢であるが,耐液状化性能として必要な強度は十分に確保できる。また,長期にわたる過大な強度発現を抑えることが可能ではないかと考えられる。 ウ)水中浸漬にともなう強度の低下がかなり大きい。このため,埋め戻し後の地下水回復を抑制し,初期の湿潤養生期間を確保するなどの施工上の工夫が望まれる。
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