2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658079
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
杉本 恒美 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (80257427)
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Keywords | 水分分布計測 / スキャニング振動計 / 超磁歪振動子 / 非破壊計測 / 精密農業 / 非破壊計測 |
Research Abstract |
今年度はまず伝搬音速が明らかになっている土壌(平均粒径約300μmの海岸砂、乾燥時の伝搬音速は約130m/s)の内部領域浅層部に多孔質管を設置し、時間的に少しつづ変化する水平方向および鉛直方向の音速変化が音波振動により捉えられるかどうかについて検討した。水平方向の計測時にはスキャニング振動計を上側から用いて振動速度の計測を行い、アクリル製砂槽の底面から超磁歪振動子による振動を加えるという方法で計測を行っている。また鉛直方向の計測時にはスキャニング振動計は横方向から、多数の音響窓を開口したアクリル板(薄いフィルムで音響窓はカバー)を通して振動速度計測を行い、アクリル製砂槽の反対側面に埋設した大型の平面スピーカを音源として平面波振動を与えるという方法で行った。その結果、どちらのセットアップにおいてもほぼリアルタイムでの伝搬音速変化が観測できることが明らかになった。さらに砂中に埋設した水分センサによる観測結果と比較照合してみた結果、砂中の体積含水率の変化と伝搬音速変化がほぼ比例することも確認でき、提案手法による有効性を基本的には確認することができた。しかしながら、次に、土壌を屋上緑地化用のルーフソイルおよび通常の園芸用培養土に変更して同様な実験を試みたところ、可視化自体は可能であるものの再現性が極めて低いことが判明した。この理由は屋上緑地化用のルーフソイル等の土壌では繊維質が含有されかつ粒径も均一でないことが原因であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
粒径分布のそろった砂土壌での計測自体は問題なく、再現性も高いことが判明している。粒径のそろった砂土壌での計測自体は問題なく、水分分布による再現性も高いことが判明している。しかしながら、一般の園芸用の土壌を用いた実験を試みてみたところ、なかなか安定した計測が行えないことが判明した。これは砂に比べると粒径分布範囲が非常に広く、繊維質も含んでいるために音波減衰が大きくなる箇所が存在する
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、繊維質を取り除き、粒径もそろえることにより使用土壌を改良することで安定した結果が得られるようになるかを検討する。室内で確認実験を行った上で、実際の屋上緑地面での測定実験も行って、最適な給水システムの構築に役立つかどうか検討する。
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Research Products
(3 results)