2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的高免疫能選抜系マウスと免疫活性化物質による高抗病性免疫システムの解明
Project/Area Number |
22658080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 啓一 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10344706)
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Keywords | 抗病性 / 免疫 / 免疫活性物質 / 選抜 / マウス / 甘草 |
Research Abstract |
末梢血免疫能を遺伝的に高方向に20世代以上選抜した3系統と無選抜の対照系の4系統のマウスに薬草の甘草を飼料添加給与し、異物として羊赤血球を接種した際の各種免疫能、コルチゾールとサイトカインの経時的な変化を測定し、マウスの遺伝的な改良と免疫機能活性化する飼料添加物の組み合わせによる抗病性に優れた動物生産システムの可能性の基礎的知見を得ることを目的とする。 今年度は、はじめに3選抜系マウスおよび無選抜対照系マウスの4系統マウスの用い、異物などを接種しない定常状態での総白血球数、食細胞活性、免疫担当細胞割合を解析した。その結果、末梢血Myeloid細胞割合は、自然免疫選抜系のN系と自然免疫+獲得免疫系のNA系が無選抜のC系より高いこと、N系、NA系は1細胞当たりの食細胞活性が高いことが明らかとなった。しかし、造血器官である骨髄、脾臓においてはT細胞、B細胞、Myeloid細胞割合に系統間差がないことから、食細胞活性による選抜は、抹消Myeloid細胞の質・量の両方に影響していると考えられた。 次に、4系統マウスの特性調査のため、1頭飼育の単飼条件と4頭群飼下で、異物として羊赤血球(SRBC)を接種した際の免疫能の比較を行った。その結果、単飼が群飼よりストレスが大きく、獲得免疫選抜系のA系と無選抜のC系が体重の減少が認められ、さらに、A系では、単飼区のCD4/CD8比とCD4T細胞が群飼区よろ増加することから、A,C系が飼育条件の影響を受けやすいことが明らかとなった。 さらに、これらの4系統のマウスに甘草を飼料添加給与し、異物としてSRBCを接種し、経時的な採血と屠殺後に臓器重量を測定した。その結果、甘草添加区における食細胞活性が14,21日では高まり、23日では抑えられたことから、過剰な免疫応答の抑制が確認できた。さらに、IgM量の変化から、甘草添加区において早い応答と速やかな平常化が示唆された。IL-2発現量がN系統の甘草非添加区のみで高まり、甘草添加区では抑えられたことから、系統に応じた甘草の免疫調節機能が存在することを確認できた。
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Research Products
(4 results)