2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658088
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒岩 麻里 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20372261)
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Keywords | 性分化 / 鳥類 / Z染色体 / W染色体 / 生殖発生 |
Research Abstract |
ニワトリの性別は産業的に大変重要であるが、ニワトリの雌雄がどのように決定されるのか、性決定メカニズムは未だ明らかとなっていない。申請者はニワトリの性決定遺伝子がみつからない要因として、鳥類特異的な遺伝子であること、性決定時期のごく限られた期間にしか発現せず、かつその発現量が低いこと、を想定し、雌雄の生殖腺に発現している転写産物を、網羅的にスクリーニングした。その結果、生殖腺特異的な発現を示し、ZあるいはW上に存在する新規遺伝子配列を7種類同定した。申請者は研究期間内にこれら7種類の新規候補遺伝子の詳細なキャラクタライゼーションを行ない、その機能を確認することで、性決定遺伝子であるかを検証した。ニワトリ初期胚(孵卵開始5.5、6.5、7.5、8.5、10、15、20日目)と孵化後4週目、8週目のニワトリの各組織(生殖腺、脳、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、筋肉、血液、初期胚の場合は前肢、後肢)からmRNAを抽出し、RT-PCR法、ノーザンハイブリダイゼーション法を用いて各遺伝子の発現様式を雌雄間、組織間、発生段階間で比較した。ホールマウントin situハイブリダイゼーション法、in situハイブリダイゼーション法を用いて、発現様式および生殖腺中の発現部位を特定した。さらに候補遺伝子が含まれるcDNAクローンを単離し、全長配列を決定した。この時点で、4種類の遺伝子を候補からはずすことを検討したが、一部、再実験を行い、再検討を試みた。最終的に、7種類の候補遺伝子のうち、Z染色体上の遺伝子2種類、W染色体上の遺伝子1種類の計3種類に解析対象をしぼった。
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