2010 Fiscal Year Annual Research Report
プログラニュリン遺伝子欠損神経細胞を用いた神経保護作用の解析
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22658090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Keywords | 脳・神経 / プログラニュリン / 神経細胞 / 神経変性 / 細胞死 / 興奮性アミノ酸 |
Research Abstract |
我々は成長因子の一種であるプログラニュリンの遺伝子欠損マウスを作出し、本マウス由来の神経細胞は野生型マウス由来のそれよりも培養条件下での細胞死率が高く、また、興奮性アミノ酸の神経毒性に対しても脆弱であることを見出した。本研究は、このようなプログラニュリン欠損神経細胞の脆弱性を利用し、神経傷害や細胞死を誘導するような物質や神経細胞を防御する物質の効果を評価するアッセイ系を構築し、各種の物質から神経系を保護する方法論を構築することを目的としている。本研究においては、神経保護作用のインビトロアッセイ系に用いる細胞として、神経前駆細胞および初代培養大脳皮質ニューロンを用い、比較検討した。神経前駆細胞は自己複製能と、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの3系統の細胞へ分化する多分化能を有する細胞であり、胎仔のみならず成熟動物の海馬歯状回や側脳室下層にも存在することが知られている。一方、胎仔由来の初代培養大脳皮質ニューロンは神経毒性等の評価に汎用される細胞であり、本研究においては神経前駆細胞とともに用いて検討を行った。これらの細胞の培養下における生存、増殖、分化、細胞死等を神経保護作用の指標として評価するアッセイ系を用いて、グルタミン酸およびエストロジェンの効果を評価する実験系を確立した。また、ヒト神経芽細胞由来細胞株であるSH-SY5Yについても培養系を確立し、siRNA導入によるプログラニュリン発現抑制の効果について検討を行っている。
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Research Products
(5 results)