2010 Fiscal Year Annual Research Report
イヌiPS細胞による脊髄損傷の治療に向けた基盤技術の開発
Project/Area Number |
22658101
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00137241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 裕 京都大学, 農学研究科, 教授 (10303869)
杉浦 喜久弥 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30171143)
鳩谷 晋吾 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (40453138)
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Keywords | イヌ / iPS細胞 / ES細胞 / 骨髄間質細胞 / 脊髄損傷 / 神経細胞 / 遺伝子導入 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究は、ヒトと共通の脊髄疾患が自然発症するイヌに着眼し、イヌの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を効率的に樹立する技術を開発し、脊髄損傷モデルイヌの治療へ応用することを目的にしている。本研究年度では、イヌiPS細胞株の樹立、胚性幹細胞(ES細胞)から神経系細胞への分化誘導法、骨髄間質細胞を利用した脊髄損傷モデルイヌの治療について検討し、以下の結果を得た。 1. イヌ胎子線維芽細胞にOct4、Sox2、Klf4およびc-Mycの4つの転写因子とマーカー遺伝子としてDsRedをレトロウイルスベクターによって導入することにより、ヒトES細胞に類似した平坦なコロニーを形成し、胚様体の形成や三胚葉に分化し、一部の多能性遺伝子およびタンパク質を発現する多能性細胞株を作製することができた。 2. カニクイザル由来ES細胞株から、ラット胎子由来初代培養アストロサイトの培養上清を用いて、脊髄損傷治療の臨床応用に最も適した細胞と考えられている神経系細胞のオリゴデンドロサイトへ短期間で簡便に分化誘導できることが分かった。 3. 重度脊髄損傷を伴った胸腰部椎間板ヘルニアのイヌを用いて、脊髄の減圧および逸脱した椎間板物質の除去手術を行い、術後1カ月の時点で感覚および運動機能に改善の認められないイヌに対して、第5および6腰椎間より脳脊髄液中へ自己の骨髄間質細胞を移植した結果、10頭中6頭が歩行可能となった。一方、椎間板物質の除去手術後に細胞を移植しなかった対照群では、13頭中2頭が歩行可能となった。
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Research Products
(6 results)