2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658102
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南條 正巳 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60218071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 均志 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (30250731)
高橋 正 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80132009)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | リン / 稲 / 水田 / ビビアナイト |
Research Abstract |
これまで,ポット栽培稲でビビアナイトの結晶生成を確認してきたが,実際の稲栽培の現場である普通の水田で検討する必要がある。そこで,管理状況の明らかな宮城県古川農業試験場の水田で栽培した水稲根を採取し,ビビアナイトの晶出状況を検討した。同試験場水田(灰色低地土、造成)作土株間からガバトボックスを使い、約7x12cm深さ約8cmの土壌試料を採取した。その土塊を2 mmの篩の上でシャワーヘッドを使い、水稲根を洗い出し、風乾した。その水稲根から実体顕微鏡で青色の結晶を探し、同結晶の同定を試みた。さらに,105℃で48時間加熱した水稲根と未加熱のものに0.1M塩酸-1M酢酸混合液20mLを加え、時々振り混ぜながら5時間室温に放置し、濾液のリン濃度を測定した。加熱によるリン濃度の低下分から根のビビアナイト含量を推定した。7月30日と8月28日に採取した水稲根には実体顕微鏡で青色結晶が容易に認められた。走査電子顕微鏡観察ではその結晶は板状の微細結晶の集合体で、エネルギー分散型X線分析によれば、鉄とリンが約3:2の組成を持ち、ごくわずかのCaとMnを含んでいた。結晶は根の表面~内部から土壌側へ晶出しつつあるように見られた。微小部X線回折図はビビアナイトに関する既報と一致した。また、これらの試料のビビアナイト含量は4.1~9.0 g P2O5 kg-1(全リン含量の24~27%)と推定された。以上の結果はポット栽培稲とほとんど同様であり、通常の水田でもビビアナイト生成が確認された。これに対して,11月6日にはビビアナイトがほとんど認められず、落水後酸化が進むにつれてFe2+の活動度が下がり、Lindsay (1980)の推測のように溶解消失すると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)