2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658104
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 雅史 神戸大学, 農学研究科, 教授 (00212233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤嶽 暢英 神戸大学, 農学研究科, 教授 (50243332)
菊地 淳 文部科学省科学技術政策研究所, 先端NMRメタボミクスチーム, チームリーダー (00321753)
|
Keywords | 担子菌 / 炭酸ガス固定 / 13C / NMR |
Research Abstract |
まず、CO_2吸収作用がシイタケ独特のものかを、食用キノコ及び我々の研究室で保有している薬用キノコについて検討した。その結果、エノキタケ、シメジ、マイタケ、エリンギなど属を問わず試したキノコ全てにCO_2吸収作用が認められた。一方、菌糸体についても同様の実験を行ったが、こちらの場合は全くその作用は認められなかった。これらのことから、担子菌による炭酸ガス吸収作用は、子実体特有の作用であることが判明した。次ぎに、最も市場に出回っており、栽培量も多いシイタケについて、炭酸ガス吸収能力を測定した。各キノコによる炭酸ガス吸収の現象を数値化するために、炭酸ガスと窒素ガスをそれぞれ封入したシイタケ入りデシケータにおける吸引圧力の変化を経時的に調べた。装置には300mL容真空デシケータとU字型開放マノメータを連結したものを使用し、シイタケ約100gを入れてデシケータ内を炭酸ガスあるいは窒素ガスで置換後、マノメータの観測による経時的な圧力変化を記録した。試験は20℃の恒温暗室でおこない、キノコは栽培シイタケ品種kinko-702用いて紙袋に収穫後20℃で24時間保存した。結果として窒素ガスでは60分後まで値が徐々に上昇し(最大値、0.3kPa)、その後120分で半分の値(0.15KPA)まで減少した。ところが、炭酸ガスでは90分まで急激な吸引圧の上昇が見られ、120分後には窒素ガスの最大値の4倍である1.2kPaに達した。シイタケの年間生産量は約7万トンであることから、炭酸ガス削減への寄与は大きいと考えられた。
|