2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658104
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 雅史 神戸大学, 農学研究科, 教授 (00212233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤嶽 暢英 神戸大学, 農学研究科, 教授 (50243332)
菊池 淳 理化学研究所, 先端NMRメタボミクスチーム, チームリーダー (00321753)
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Keywords | 担子菌 / 炭酸ガス固定 / 13C / NMR / シイタケ / フクロタケ |
Research Abstract |
平成22年度においては、エノキタケ、シメジ、マイタケ、エリンギなど属を問わず試したキノコ全てにCO_2吸収作用が認められたが、菌糸体についても同様の実験を行ったところ、全くその作用は認められなかったことから、担子菌による炭酸ガス吸収作用は、子実体特有の作用であることを明らかにした。今年度は、担子菌によるCO_2吸収作用が、単なる吸着なのか炭酸固定によるのかを解明するため、多次元NMRメタボノミクス計測を行った。具体的には、シイタケを密閉チャンバー中に入れ、^<13>CO_2用いた安定同位体標識系を用いた。また、別の実験としてシイタケに液体培地から^<13>C-glucoseを吸収させた。後者は腐植連鎖系として、木質バイオマス分解後の有機物異化に関する炭素収支解析を保持するデータと位置づけて行った。これら2種の異なる安定同位体標識キノコに対して、時系列でサンプリングした後、0.1M-KPi溶液で抽出した代謝混合物に対して多次元NMRメタボノミクス計測を行った。とくに、これらの化合物同定には均一標識化の利点を活かし、2D-^<13>C-HSQC,3D-HCCH-COSY/TOCSY等の多次元NMR計測法を駆使した代謝中間産物の解析を行った。しかしながら、どの分析方法においても顕著な^<13>C由来のシグナルを検出することは出来なかった。 一方、高効率CO_2同化機能を有するキノコのオミクス解析を萌芽させるために、フクロタケのゲノム解析を次世代シーケンサーHiSeq2000でのDNA配列計測を行った。現在、約3GBの断片情報が既に得られており(ゲノムサイズ100MBと仮定しても30倍)、アッセンブリーを試みているところである。
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