2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗体可変領域を用いた誘導物質を自由に設定できる新規遺伝子発現調節システムの創製
Project/Area Number |
22658105
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
乾 秀之 神戸大学, 遺伝子実験センター, 講師 (90314509)
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Keywords | 抗体 / 転写因子 / ポリ塩化ビフェニル / 酵母 |
Research Abstract |
平成22年度は以下の4項目について研究を行った。 1.モノクローナル抗体産生細胞からの抗体遺伝子のクローニング ポリ塩化ビフェニルの一種(3,3',5,5'-テトラクロロビフェニル、PCB80)に対する抗体転写因子を構築するために、抗PCB80モノクローナル抗体Mab-4444の軽鎖可変領域(VH、H)と重鎖可変領域(VL、L)を用いた。 2.抗体遺伝子を含む組換え型転写因子遺伝子の構築 抗体転写因子を構築するために、DNA結合ドメイン(LexA、X)、転写活性化ドメイン(VP16、V)、核移行シグナル(NLS、N)をVH並びにVLと組み合わせた組換え型転写因子を8種構築した。 3.組換え型転写因子の酵母発現プラスミドへの導入と酵母の形質転換 構築した8種の抗体転写因子を組合せて組換え型転写因子を導入した7種の酵母を作製した(アルファベットはそれぞれの機能ドメインを示す、XL/HV、XHN/NLV、NXH/NLV、XNH/NVL、XL/NHV、XHN/NVL、XNH/NLV)。プラスミドの導入は、それぞれの機能ドメイン特異的プライマーを用いて確認した。 4.PCB80を添加した組換え酵母におけるLacZ活性の測定 7種の組換え酵母にPCB80を添加して、LacZ活性を測定したところ、XL/NHVが最も高い活性を示した。7種のPCB80組換え型転写因子のLacZ活性と同じ組合せをもつ、以前に構築したビスフェノールA組換え型転写因子のビスフェノールAに対するLacZ活性とを比較すると、正の相関が見られた。これは、特定の機能ドメインの組合せを用いるとどの様な抗体であっても高いLacZ活性を示す組換え型転写因子を構築できることを示している。
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