2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポストメタゲノムに向けたRNA安定同位体解析技術の確立
Project/Area Number |
22658107
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
布浦 拓郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 主任研究員 (60359164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 淑識 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 主任研究員 (80399815)
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Keywords | 微生物 / 安定同位体 / 核酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リボソームRNA(rRNA)を対象とする新しい安定同位体化学による新たな『環境オミクス』方法論の確立し、環境オミクス研究において由来微生物とその代謝機構を結びつける新たな技術開発を試みるものである。つまり、生細胞に由来し、由来微生物を確定出来るrRNAをマーカーとし、その微生物の炭素、窒素代謝を探求する安定同位体化学を確立するため、各種微生物のrRNAを構成する炭素、窒素の同位体分別効果を検討し、rRNAを用いた安定同位体化学の基礎となるデータベースを構築すること、また、高感度な測定システムを構築すること、そして最終的には自然試料を対象とした解析を行うことである。そして、平成22年度においては、同位体分析を行うに足る核酸の精製方法について検討を進め、平成23年度には、微量な試料を用いた安定同位体解析システムの完成、実試料を用いて安定同位体解析を行うことを予定していた。 実際、平成23年度には、高速液体クロマトグラフ/電子スプレーイオン化法(ポジティブイオンモード)により、デオキシリボヌクレオチドのソフトイオン化および分離検出の最適化を行ない、微量な試料を用いた安定同位体解析システムを構築した。しかし、実際の試料測定を行うにあたり、昨年度までに構築した手法によって得た核酸の純度に疑いが生じたことから、本研究計画の終了する平成23年度末までに、本研究の目的を達することが出来なかった。具体的には、純度を確証する為に、核酸をヌクレオチドあるいは塩基レベルまで分解して、ヌクレオチド種毎の精製分画と、分画したヌクレオチド毎の安定同位体測定を行う必要が生じたのであるが、ヌクレオチド種の精製分画から安定同位体測定装置への導入の間における化学処理過程における仕組みを構築するに至らなかった。今後、本研究計画終了後も、研究目標の達成への試みを継続したい。
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