2011 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ共発現マイクロアレイによる転写制御ネットワークの精密解析
Project/Area Number |
22658111
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (50327673)
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Keywords | プロテオーム / 蛋白質 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 発現制御 |
Research Abstract |
転写制御因子とシス調節DNAとの分子間相互作用からなる転写制御ネットワークは、細胞の分化や外部刺激に対する応答といった数千もの遺伝子発現を制御する重要な役割を果たしている。本研究では、独自のタンパク質C末端蛍光ラベリング技術とオンチップ転写翻訳マイクロアレイを応用して、転写制御ネットワーク解析を行った。本年度は、前年度までに確立した手法を用いて、ホモまたはヘテロダイマーを形成することで複雑なネットワークを構築しているロイシンジッパーモチーフを有する数十種類の転写因子群をモデルとして、以下の2通りの相互作用解析を行った。 (1)転写因子同士のタンパク質問相互作用解析:転写因子(TFI)をコードする鋳型DNAと捕捉用の抗体をスライド上に固定し、オンチップ転写翻訳した転写因子(TFI)をスライド上に提示し、C末端をCy3で蛍光標識した転写因子(TF2)との相互作用をマイクロアレイ専用蛍光スキャナーにより検出した。転写因子Junと相互作用することが知られているFos、SNAP19およびKif5Cの鋳型DNAを固定したスポットではCy3標識したJunとの相互作用による蛍光シグナルが検出されたが、ネガティブコントロールであるGFAPやDNAを固定していないスポットではシグナルは検出されなかったことから本手法の有効性が確認できた。 (2)転写因子とシス調節DNA間の相互作用解析:数十種類の転写因子群をモデルとして、検出用タグを付加した2つずつの転写因子をコードする遺伝子とシス調節DNAをスライド上に固定し、無細胞タンパク質合成系によりスライド上でタンパク質を共発現させ、シス調節DNAと相互作用した転写因子を抗原・抗体反応によって蛍光検出した。この方法により、数十種類の転写因子をマトリックス状に組み合わせて1枚のスライド上で多対多の相互作用を検証することに成功した。
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