2010 Fiscal Year Annual Research Report
創薬を指向したメダカを利用するin vivoスクリーニング法の構築
Project/Area Number |
22659002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116033)
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Keywords | メダカ / 抗がん剤 / 再生医療 / 生物活性物質 / スクリーニング |
Research Abstract |
これまでの医薬シーズの探索では、酵素、微生物、培養細胞などを利用するin vitroでのスクリーニング後、見出した活性物質をマウスなどでの動物実験で評価し、有望な化合物を医薬シーズとして利用してきた。このため、動物実験の段階で効果を示さない化合物や毒性の高い化合物が選択される場合も多くあった。このことから、直接in vivoでも有効な活性物質を見出すことができる評価系は、医薬シーズの探索時間を短縮し、コストの削減にも繋がると考えられる。本研究では、飼育や個体の供給が容易であり、形質転換や形質導入技術が確立されている魚類メダカを利用し、in vivoでも有効な活性物質を直接見出すことができる評価系の構築に挑戦するものである。今年度は実験計画に従い、メダカの尾ヒレ再生に着目し、これを阻害する化合物(血管新生阻害物質やリンパ管新生阻害物質)または促進する化合物(骨、血管やリンパ管の形成を促進する再生医療に有用な化合物)を探索するための評価系の構築を行った。そして、使用するメダカの種類、週令、飼育条件、活性定量方法などの基礎検討を行い、多検体の評価が可能なスクリーニング系を確立した。さらに確立した評価系を使用して、メダカの尾ヒレ再生に影響を与えると予想される既知化合物の活性評価を行った。その結果、細胞の分化誘導活性が知られているall-trans retinoic acid、研究代表者がマウスの血管新生を阻害する作用を見出しているbastadin 6に、メダカの尾ヒレ再生を阻害する作用が確認された。現在、研究代表者が保有する海洋生物の抽出物ライブラリーを対象とするスクリーニングを開始している。
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Research Products
(3 results)