2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
眞野 成康 東北大学, 病院, 教授 (50323035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 美樹 東北大学, 病院, 准教授 (10196488)
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Keywords | 胆汁酸 / メタボロミクス / LC/MS / 低エネルギーCID / 多次元マップ化 |
Research Abstract |
ヒトにおける主要胆汁酸およびそれらのグリシン抱合体、タウリン抱合体、硫酸抱合体、N-アセチルグルコサミン抱合体の標品を用いて、HPLC分離条件に付き検討した。その結果、酢酸アンモニウムとメタノールの混液を用いるリニアグラジエント溶出により、各種抱合型胆汁酸を効率的に分離できることが判明した。 次に、各種標品を用いて、トリプルステージ四重極型質量分析法によるCIDの特徴を精査するため、各種CID条件下におけるフラグメントパターンを調べた。その結果、グリシン抱合体およびタウリン抱合体においては、側鎖アミノ酸に由来するm/z74およびm/z124のイオンをそれぞれ生成することが判った。硫酸抱合体においては、硫酸基部分に由来するm/z97を強く生成し、N-アセチルグルコサミン抱合体では、質量差203のニュートラルロスを生じることが明らかとなった。 これまでの結果を踏まえ、横軸が保持時間、縦軸がm/z、ピークの強度を等高線表示することにより、各種抱合型胆汁酸の二次元マップ化を試みた。次いで、m/z97のプリカーサーイオンスキャンにより抽出されたピークを先の二次元マップに重ね合わせることにより、硫酸抱合型胆汁酸を容易に特定できることが判明し、同様の手法でグリシン抱合型、タウリン抱合型胆汁酸についてもフォーカシングできることが判った。さらに、質量差203のニュートラルロススキャンにより、N-アセチルグルコサミン抱合体についてもフォーカシング可能であることが判明し、本法が未知の抱合型胆汁酸の同定に有用であることが示唆された。
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