2010 Fiscal Year Annual Research Report
P-bodyの構造とARE-mRNAの動態を制御する新規シグナル伝達機構
Project/Area Number |
22659015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶保 博昭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (70401221)
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Keywords | シグナル伝達 / G蛋白質 / Gサイクル / ゲノムプロジェクト / mRNA動態 / Processing body |
Research Abstract |
mRNAと種々のRNA分解酵素からなる細胞質中の凝集体Processing body (P-body)は、mRNAの分解や一時的な翻訳抑制の場を形成していると考えられるが、その形成機構や詳細な機能は不明な点が多い。本挑戦的萌芽研究では、微小管の重合阻害がP-bodyの形成を促進するという知見に基づき、細胞骨格系を制御する低分子量G蛋白質のRhoファミリーとP-bodyの動態・機能との関連について以下の知見を得た。 1.P-bodyの構成因子rck/p54抗体を用いて、HeLa細胞のP-bodyの形態変化を指標としたスクリーニングを行い、GTP結合型のRhoAによってP-bodyが小型化し、その数が増加する現象を見出した。2.P-bodyに局在して速やかな分解を受けるAU-rich element (ARE) mRNAについて、その分解と局在について検討した結果、RhoAの活性化によって、ARE-mRNAのP-bodyへの局在化および分解が抑制された。3.ARE-mRNAの分解には、ARE-mRNA結合蛋白質Tristetraprolin (TTP)がARE-mRNAをP-bodyに局在化させることが重要である。そこで、FLAG-TTP発現細胞にRhoAを過剰発現した結果、TTP蛋白量が減少することを見出した。以上の知見から、RhoAの活性化によるTTPの減少がP-bodyへのARE-mRNAの局在化を抑制し、その速やかな分解が抑制されて翻訳へと向かうシグナル伝達経路の存在が推定された。
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Research Products
(2 results)