2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガン抑制遺伝子EXTL2によるプロテオグリカンの品質管理機構
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22659019
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (40221915)
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Keywords | プロテオグリカン / 糖転移酵素 / ガン抑制遺伝子 / コンドロチン硫酸 / ヘパラン硫酸 / 酵素復合体 / グリコサミノグリカン / 遺伝性多発性外骨腫 |
Research Abstract |
プロテオグリカンはグリコサミノグリカン鎖によって修飾された糖タンパク質であり、その機能発現には糖鎖が重要である。プロテオグリカンの品質維持のためには糖鎖修飾を管理しなければならないが、その機構は明らかではない。我々の研究は、プロテオグリカンの品質を維持する品質管理機構の存在とその仕組み、また、システムの動作不良が細胞や個体にどのような影響を与えるかについて理解することを目的としている。我々は、グリコサミノグリカンの合成に関連するが、機能の明らかでない2種の酵素、EXTL2とFamily with sequence similarity 20 member B(FAM20B)を独自にクローニングしており、これらの酵素がプロテオグリカンの品質管理に働く可能性を検討することで、プロテオグリカンの分泌や分解を司る新たな機構を発見できると考えている。 グリコサミノグリカン鎖は、結合領域と呼ばれる四糖構造(GlcAβ1-3Galβ1-3Galβ1-4Xylβ1-O-Ser)を介してコアタンパク質に結合している。この四糖結合領域におけるXyl残基の2位は、一過的にリン酸化修飾を受けるが、Xyl残基をリン酸化する酵素やXyl残基がリン酸化される生理的意義は不明であった。そこで、FAM20Bの機能解析を行ったところ、FAM20Bは四糖結合領域のXyl残基の2位をリン酸化する酵素であることが判明し、FAM20Bの発現量によりグリコサミノグリカン鎖の本数が制御され、グリコサミノグリカン鎖の量が調節されていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)