2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659038
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
北村 裕和 大分大学, 医学部, 助教 (70115559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊奈 啓輔 大分大学, 医学部, 准教授 (20203193)
藤倉 義久 大分大学, 医学部, 教授 (10165368)
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Keywords | 組織包埋剤 / 生体分子 / 免疫組織化学 / 環境対応 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
親水性の高分子化合物で、生体内の水分と置換し、細胞内化学物質と反応して硬化する高分子化合物を選択し、光学顕微鏡と透過型電子顕微鏡における免疫組織化学に使用できる包埋剤を作製する。主要な方法の原理は、我々が平成16年に特許申請した方法を基礎とするものである。 光学顕微鏡のための包埋剤の作製22年度 要約すると、親水性高分子モノマーとして、N-vinyl-2-pyrolidone(NVP)を用い、親水性の調節、重合速度の調節のために、重合阻止剤のN,N'-Di-sec-butyl-p-phenylenediamine(DBP)と架橋剤(硬化剤)のN,N'-Methylenebis(acrylamide)(MBA)を加えることにより、適度な強度の包埋剤とする。親水性高分子のNVPは組織細胞の中に浸して水と置換される。同時に細胞内のラジカルにより重合反応が徐々に進行する。NVPが組織細胞内に均等に浸透した後に重合するようにDBPとMBAを加える。包埋剤として切片を切る時に必要な硬度を得るため2,2'-Azobis(isobutyronitrile)(QCU-1)を硬化剤として0.035%程度加えて硬化させる。その比率を詳細に検討し最終決定する。サンプル組織としてラットの膵臓、耳下腺などを用いた。採取した組織片を、a)4%パラフォルムアルデヒドで固定し、アルコールで脱水後上記混合液に浸透して包埋する、b)比較のためLR Whiteに包埋した。1μm切片を作製して、抗インスリン、抗グルカゴン、抗ソマトスタチン等の抗体で免疫染色を行ってLR White包埋切片と比較した。 結果は、反応強度、コンタミンなど全てにおいてLR Whiteと比較して同等以上であった。問題点として切片が水没しやすい事があり、今後の課題となった。
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