2010 Fiscal Year Annual Research Report
オキシトシンの新規機能の展開:摂食制御の神経経路と生理的病態的役割
Project/Area Number |
22659044
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10305120)
前島 裕子 自治医科大学, 医学部, 助教 (40438669)
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Keywords | オキシトシン / Nesfatin-1 / POMC / 摂食 / 視床下部 / 体重 / 室傍核 |
Research Abstract |
1. 室傍核オキシトシン(Oxt)ニューロンの摂食抑制作用の仲介神経経路の解析:Oxt脳室内投与による摂食抑制が、メラノコルチン受容体(MC3/4R)ブロッカーで阻害されることを見出しており、MC3/4Rのリガンドである・・MSHを産生するPOMCニューロンがOxtの標的であると推定される。POMCニューロンは脳内で視床下部(ARC)と延髄(NTS)の2か所にのみ局在する。ARCのPOMCニューロンがOxtの標的であるかをラットにおいて検討した。形態学的観察の結果、室傍核OxtニューロンがARC POMCニューロンに投射していることが示された。またOxtは単離したARC POMCニューロンに直接作用し細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)を増加させた。このOxtの[Ca^<2+>]i増加作用は、レプチン抵抗性の肥満モデル動物であるZucker Fatty Ratでも正常動物と同様に観察された。以上の結果より、室傍核Oxtニューロンの標的として、以前報告した孤束核POMCニューロンと共に、ARC POMCニューロンが関与すること、OxtのARC POMCニューロン活性化作用はレプチン作用とは独立していることが明らかになった。 2. 室傍核Nesfatin-1-Oxt系のストレス性摂食変調への関与:ラットに拘束ストレスを負荷すると、視床下部と延髄のNesf神経細胞が神経活性化マーカーc-FOSを発現した。次に、Nesfatin-1を脳室内投与すると、視床下部・延髄のストレス関連神経核にc-FOS発現が誘導され、その一部はCRH,セロトニン、ノルアドレナリンニューロンに局在した。さらにNesfatin-1の脳室内投与は血中ACTH、グルココルチコイドを増加させた。Nesfatin-1がストレス応答に関与することが明らかとなった。
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Research Products
(29 results)