2012 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性脂質によるトランスポータ・チャネルの制御機構の解明
Project/Area Number |
22659046
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Research Institution | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
Principal Investigator |
若林 繁夫 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70158583)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生体膜 / チャネル / トランスポータ / 受容体 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
Na+/H+交換輸送体(NHE1)の活性制御にはフォスファチジルイノシトール-2リン酸(PIP2)結合ドメインを含む膜直下領域が重要である。本研究課題前までの研究によって、NHE1はこの脂質結合ドメイン(LID)がdiacylglycerolやphorbol esterと直接結合することよって活性調節を受けることが示唆された。そこで、本研究では、①NHE1の活性化を阻害する薬物の同定、②NHE1がATPによって制御される機構について、研究を進めた。 ①NHE1の活性化を阻害する薬物の同定。staurosporineやphorbol esterの化学構造に基づいてインシリコバーチャルスクリーニングを行い、市販の化合物から可能性のあるものをピックアップしたのち、実際にNHE1活性化をブロックするかどうかを検証した。その結果、staurosporineに代表されるようなインドロカルバゾール環骨格を有する化合物のみがNHE1の活性化を阻害することが判明した。また、プロテインキナーゼC(PKC)を阻害する薬物の多くが、NHE1の活性化を阻害しないことが判明し、活性化がPKCを介するものではないという私達の仮説を支持した。NHE1を阻害する化合物はLIDに直接結合することが判明した(論文投稿中)。 ②NHE1がATPによって制御される機構。NHE1は二次性能動輸送体であり、ATP加水分解のエネルギーを必要としないが、不思議なことに細胞内ATPが無いと生理的なNHE1活性は失われる。このATP要求性はLIDが関与する可能性がある。SF9細胞よりNHE1を精製したNHE1がazido-[32P]ATPによってATPによって阻害されるような光架橋を受けること、その結合ドメインがLIDであることが判明した。ATPがNHE1の直接的な制御因子であることが示唆された(FEBS J, 2013)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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