2010 Fiscal Year Annual Research Report
メイラード反応生成物を指標とした成人病を検知する非侵襲検査システムの確立
Project/Area Number |
22659068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川上 茂樹 大阪大学, 工学研究科, 特任准教授 (90432509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 竜児 日本女子大学, 家政学部, 講師 (20315295)
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Keywords | AGEs / メイラード反応 / CML / 糖化 / ビオチンダイマー / ストレプトアビジン重合体形成 / ビオチントリマー |
Research Abstract |
本原理を用いて標的タンパク質の有無、例えば1分子レベルのアトー(10^<-18>g)を検出することは可能であるが、試験血液サンプル中の極微量の標的タンパク質定量が可能であるか検討を行った。今回、Uptima社のビオチンダイマー(Biotin-PEO6-Biotin、#Q7467A)を使用して検出の高感度化の検討を行ったところ、プレートの検討でビオチンダイマーのストレプトアビジンに対する反応性に問題の無いことが確認できた。しかし、使用したビオチンダイマーとストレプトアビジンを反応させTSKgel 3000SWxlカラムを接続した島津CL-10Aを用いて重合体形成効率を確認したところ、ビオチンダイマーを介したストレプトアビジンの定量的な重合体形成が認めなかった。この結果はビオチンダイマーの2価のビオチンが1分子のストレプトアビジンに結合(分子内架橋)し、重合体形成を阻害していると考えられた。従って本原理による高感度化の今後の課題としては、ストレプトアビジンの分子内の架橋が出来ない構造リビオチンダイマー、あるいはストレプトアビジンの分子内を架橋した場合においてもまだ他のストレプトアビジンと反応することができるビオチン分子を持つ多価ビオチンの作製が考えられる。そこで、次年度はリジッドな構造のスペーサーを有するビオチントリマーを合成し、定量的な重合体形成の改善を図る。 一方、ヒト血中におけるメイラード反応後期生成物(AGEs)の高感度測定系を確立する過程で、血中にAGE構造の一つであるNe-(carboxyethyl)lysine(CEL)に対する自己抗体が存在し、CELが血中よりクリアランスされる際に重要であることが確認された。また、Ne-(carboxymethyl)lysine(CML)の高感度測定が可能となり、CMLの生成を抑制あるいは促進する化合物の探索も可能となった。
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Research Products
(14 results)