2011 Fiscal Year Annual Research Report
メイラード反応生成物を指標とした成人病を検知する非侵襲検査システムの確立
Project/Area Number |
22659068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川上 茂樹 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授(常勤) (90432509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 竜児 日本女子大学, 家政学部, 講師 (20315295)
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Keywords | 糖尿病 / 動脈硬化 / AGE / 非侵襲検査 |
Research Abstract |
互いが架橋関係にある二つの架橋剤を交互に反応させる「シグナル反復増幅法」を用いて,従来法では検出不可能だった一分子レベルの微量タンパク質の検出を容易にした。成人病の指標となるメイラード反応生成物を同手法を用いて効率よく検出するための条件検討を行い、AEGs関連抗体の作成、検出時間の短縮化および阻害因子の無害化の手法を確立した. 検査の対象となる汗・尿・便・唾液などには阻害因子が含まれているが、単純にサンプルを希釈することで、それらの阻害因子を無害化することを明らかにした。本手法を用いれば100ヨクトグラム(yg;10×10-19g/ml)の標的タンパク質の検出が可能であった。マーカーとなる標的分子の存在の有無で確定診断が出来る検査として実用化を目指したい。 今回の試験を通してストレプトアビジンの修飾により反応効率が大きく変わることを見いだした。何も修飾されていないストレプトアビジンはビオチンダイマーもしくはビオチン分子と架橋反応を起こすことが出来るが、ビオチンダイマーを用いて2回目以降の架橋反応は著しくその効率を低下させた。一方、FITCやALP標識されたストレプトアビジンは効率が悪いもののシグナル増幅反応がかかることを今回の試験で明らかにした。結果として現在、入手可能なビオチンダイマーおよびストレプトアビジンの組み合わせにおいて標的分子定量化は困難であった。 本研究の目的であるAGEsを指標にした非侵襲検査の基礎である抗体の作成、および、検出する組織や分泌物に存在する阻害因子を無害化し、標的タンパク質一分子レベルでの検出技術は確立した。一方、反復増幅法を用いた定量化が本試験期間内に達成できなかったことは残念であった。しかし、定量化するための貴重な知見を得ることが出来た。これらの知見を礎に本手法の確立に向け邁進したい。
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Research Products
(10 results)