2011 Fiscal Year Annual Research Report
由来臓器ごとのヒト間葉系幹細胞プロファイリングと培養条件最適化と標準化
Project/Area Number |
22659076
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
肥田 直子 (独)国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (70360112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 (独)国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
豊田 雅士 (地独)東京都健康長寿医療センター, 研究副部長 (50392486)
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Keywords | 間葉系細胞 / 共培養 / プロファイリング / 再生医療 / 心筋分化 / 細胞リソース |
Research Abstract |
ヒト間葉系幹細胞は再生医療の体性幹細胞リソースとして注目されている。間葉系幹細胞はあらゆる臓器に存在し、由来臓器ごとに特性が全く異なる。本研究では、由来臓器ごとの間葉系幹細胞の特性を同定し、再生医療の目的(主に心臓)に合わせた最適の由来臓器を同定する。また「細胞培養技術の最適化と標準化を目指し、幹細胞研究の情報の集約と研究の効率化を図る。本年度は昨年度に引き続き「ヒト間葉系幹細胞の細胞樹立法の最適化」、「ヒト間葉系幹細胞の細胞培養法の最適化」、「ヒト間葉系幹細胞の評価」に関する研究を実施した。特に細胞の評価系に関する研究では、分裂能、細胞表面マーカー、マイクロアレイ、生物学的特性、分化能を指標とした評価項目を設定した。分裂能に関しては樹立直後から細胞が何回分裂(何倍となるか)するかを評価した。細胞分裂数は培養条件によって劇的に変化する。そのため、培養条件最適化を行った時点で比較した。細胞表面マーカーはEACSを用いて定量的に比較した。マイクロアレイを用いた網羅的データ比較は、細胞培養法を変更した際に、臓器誘導効率が改善すれば、その培養法で変動した遺伝子が臓器誘導に重要な働きを示している事となる。これらを、独自に作製したインターフェールキットを用いて、より直感的・巨視的に観察しやすくして検証した。誘導刺激後の分化効率について、主に心筋への誘導効率を観察した。心筋誘導にはマウス培養心筋細胞との共培養を行った。共培養はマウス心筋細胞との細胞融合と心筋への分化の区別が難しい。そこで私は、マウス細胞とヒト細胞を50μmの高密度アテロコラーゲン膜(分子量5,000以上を通過しない)で区別して心筋誘導を観察する事で、細胞融合を否定した。あらかじめヒト細胞をEGFPでマーキングした後に共培養を行い免疫染色にてEGFP陽性細胞中の心筋Troponin-I陽性細胞数を心筋誘導効率と定義し、検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に推移している。本研究で重要となる細胞リソースは順調に供給されており、新規細胞株の樹立、既存リソースの活用がなされている。また、解析に関しても問題なく遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに研究を進めていく。研究計画の変更や問題点は今のところないので、問題なく遂行できるものと考えている。
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