2010 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性有機化合物を指標とした真菌感染症の早期診断法の開発
Project/Area Number |
22659086
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
岩口 伸一 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (40263420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 孝江 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (80201606)
鈴木 孝仁 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60144135)
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Keywords | 真菌 / 感染症 / 揮発性有機化合物 / 動物モデル |
Research Abstract |
真菌感染症は表在性と深在性の感染状態をとり、表在性真菌症では感染部位が限定され、診断・治療も比較的容易であり重篤に至ることも少ない。これに対し深在性真菌症では診断方法が限られている上に、早期に検出することは非常に困難であり、治療も難しい。特に、免疫力が著しく低下した患者において発症した場合には難治性となり、死亡率が高い疾患であるが、深在性真菌感染症を早期に診断できる有効な方法はほとんどないのが現状である。深在性真菌症の起因菌が宿主への感染過程、宿主応答に対して放出する微生物由来揮発性低分子化合物(MVOCs:Microbial Volatile Organic Compounds)を特定し、真菌感染症の早期診断、感染のモニタリングなどの指標としてMVOCsが有効であるかどうかについて、真菌感染動物の呼気に含まれるMVOCsの変化を捉える実験を計画した。 平成22年度は真菌感染時に放出されるMVOCsの検出を動物感染実験モデル(マウス)を用いて行うための装置を作成した。装置からのVOCの放出を避けるために材質は主としてガラス、テフロンを使用した。マウスの呼気からMVOCsの採取はSPMEを用いて行うが、感染実験および呼気の採取は千葉大学真菌医学研究センターで実施し、MVOCsの測定を奈良女子大学で行う。そのため、移動時におけるVOCの吸着等を極力避けるためにSPME部位を格納できるフィールドサンプラーを使用し、これを設置できるように装置を設計した。まず、装置の有効性を確かめるために、健常マウスを使用して呼気中に含まれるVOCが検出できるかについて実験を行い、呼気をSPMEに吸着させる際、装置を65℃に保温することにより効率的にVOCを検出できることを確認した。さらに、千葉大学真菌医学研究センターにおいて実験の打ち合わせを行い、飼育室のバックグラウンドのVOCについて測定を実施した。
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Research Products
(2 results)