2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22659090
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒木 和之 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (20178122)
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Keywords | B型肝炎ウイルス / ウイルス感染 / 宿主レセプター / 肝細胞 |
Research Abstract |
本年度は、分泌性ルシフェラーゼ(GLuc)遺伝子が組み込まれた新規ウイルスベクター(HBV-GLuc)の構築、ダック肝臓cDNA発現ライブラリー(レトロウイルスベクター)の作製、ヒト肝がん由来培養細胞株の培養条件とHBV感染について取り組んだ。 その結果、研究遂行に有用なGLuc発現HBVベクターを作製できた。ヒト肝がん由来培養細胞株は至適濃度のDMSOを添加培養することによりわずかな感染がみられること、また、ヒト肝がん由来培養細胞株間の融合細胞では感染がわずかだが高まることを見いだした。これらの発見を新規in vitro HBV感染系の確立を目指す足掛かりとしたい。DHBVについては、DHBV CLuc及びDHBV GFPを用いて、ダック肝臓cDNA発現ライブラリー(レトロウイルスベクター)の作製とその発現スクリーニングからのDHBVレセプター単離の試みを継続して行っている。 新たな試みとしてHepatocyte like cells (iHep)の樹立とB型肝炎ウイルス感染について検討している。マウスで実証された4種の遺伝子をヒトあるいはダックfibroblastに導入・発現させdirect conversionによりiHep細胞を得ようと試みた。樹立された細胞はアルブミン等多くの肝細胞特異的な遺伝子の発現が認められたが発現していない遺伝子もあった。マウスのiHep細胞と異なりこれら細胞の形態はfirobrolast様で、HBVあるいはDHBVの感染成立は現在確認できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究遂行に有用な組換えウイルスベクターの構築を完了した。新規in vitro感染系・レセプター探索の糸口になるような現象をみつけた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年の発見を足掛かりに新規in vitro感染系の確立をめざすと共に、さらにさまざまな肝細胞・肝がん由来細胞株を入手しそれらのin vitro感染系確立の可能性についても検討していく。また、非感染性肝がん由来細胞株と正常肝細胞との遺伝子発現プロファイルの違いからウイルスレセプター候補を探索し検証していく。DHBVについてはさらにウイルスレセプタースクリーニングを継続する。
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