2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスハンティングに有用なインターフェロン伝達因子阻害細胞株の樹立
Project/Area Number |
22659092
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松山 俊文 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30165922)
|
Keywords | インターフェロン / インターフェロン誘導遺伝子 / ウイルス高感受性細胞 / iPS細胞 / IRF / RNaseL |
Research Abstract |
最初に京都大学物質-細胞融合システム拠点iPS細胞センターから供与を受けたヒトiPS細胞が当研究室での培養条件においても未分化性を維持していることをアルカリフォスファターゼ染色で確認した。次にウィルス感染時に誘導されるインターフェロンのシグナル伝達を中心とした細胞防御因子の抑制分子(PKR,RNaseL, IRF3, IRF7, IRF9等のDN:ドミナントネガティブ変異体)を作成し、遺伝子導入後もiPS細胞で安定に発現させるため各種プロモーターの比較解析を行い、最終的にハウスキーピング遺伝子の一つであるEF1プロモーターを選択した。その下流に上記の目的遺伝子及び、IRES-GFPをつなぎ、目的遺伝子の発現をGFPの蛍光で簡便にモニターできるようにした(EFlα-目的遺伝子-IRES-GFP)。さらにPGKのプロモーターの下流にPuro^r(ピュロマシン耐性遺伝子)をつなぎ、安定株の薬剤選択ができるようにした(PGK-Puro^r)。プラスミドを用いた一過性発現実験でこれらのプロモーターがiPS細胞内で機能することを確認した。これらのデータを踏まえ、安定株作成のためのウィルスベクター構築を行った。これらのプロモーターがウィルスベクター内在性のプロモーターと競合することなく使われるようにレトロウィルスベクターの内在性のプロモーターを不活化するコンストラクト(クローンテック社のpQC)を基にしてプラスミドを構築しパッケージング細胞にトランスフェクトして、ヒト培養細胞に感染性のあるレトロウィルス液を調製後、iPS細胞に感染させ、安定株を得ているところである。
|