2011 Fiscal Year Annual Research Report
創薬分野の課題に対する科学的根拠に基づいた定量的予測及び評価方法の研究
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22659108
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Research Institution | National Hospital Organization Osaka National Hospital Institute for Clinical Reserch |
Principal Investigator |
牧江 俊雄 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 研究者 (80435891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80039586)
今井 優樹 名古屋市立大学, 医学研究科, 講師 (30440936)
北谷 和之 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (40539235)
森永 紀 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (60465771)
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Keywords | 臨床試験 / 臨床研究情報検索サイト / ICTRP / C型肝炎治療薬 / HIV感染症研究 |
Research Abstract |
平成23年8月には、日本でもC型肝炎ウイルスを直接的に標的とする治療薬が承認され、C型肝炎の治療の成功率に大きな向上をもたらした。しかし、この薬剤はこれまでの治療と比べて重症化しやすい有害事象の発現が認められ、治療を開始するかどうかの判断にはこれまで以上にリスク・ベネフィットを考える必要がありことに加えて、より有害事象の発現が少ない次世代の薬剤が開発されつつあり、その動向も考慮することが重要となってきた。そこで、世界中で激しい開発競争が行われるC型肝炎治療薬の開発状況に焦点を当て、これらの薬剤の開発の情報を効率よく入手し、評価する方法に焦点を当てた研究を行った。 その結果、C型慢性肝炎開発状況に関する情報は、国内臨床研究(試験)検索サイト及びWHOが運営するICTRPサイトを通じて得られるものの、国内臨床研究(試験)検索サイトでは半数の治験情報しか得ることができなかった。ICTRPサイトには国内で実施されているほとんどの治験が登録されており、製薬企業がこのサイトを重視していることが分かった。また、これらのサイトから得られた情報が論文化されるまでには、さらに3年程の時間を要していた。したがって、研究課題を考える上でも、研究途中で周辺の研究の進行状況を知る上でも、これらのサイトを活用し、情報を先取りすることが重要であることが分かった。この研究成果は医薬品医療機器レギュラトリーサイエンスに公表された さらに、ICTRPサイトから得られる情報を利用してHIVに関連する臨床研究の状況についても評価した。HIVに関する研究は、この5年間、約400件で増減はみられていない。その4割は米国とルワンダ、南アフリカ共和国などの特定の国で行われており、比較的感染者が多い東南アジアでは行われていなかった。この地域での研究活動で日本が果たすべき役割が大きいことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究情報検索サイトとICTRPサイトの全貌を把握し、その特色の違い、活用方法を把握することができた。情報源と活用方法を確立できたことにより、研究を効率よく推進する目処が立った。
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Strategy for Future Research Activity |
集約される情報量及び信頼性が圧倒的に高いICTRPサイトの活用方法を軸に今年度の研究を推進する。しかしながら、このサイトは新しく加わる情報があり、常に改良が図られている。研究の推進の中で確立できたはずの研究方法も改良を加える必要に迫られる可能性がある。できるだけ変化に対応できるコンセプトの理解が必要となる。
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Research Products
(2 results)