2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子デリバリー技術の医療応用に重要な長期タンパク質発現系の開発・治療展開
Project/Area Number |
22659110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 茂 京都大学, 薬学研究科, 講師 (20322307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 泰彦 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員 (30512462)
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Keywords | 遺伝子デリバリー / 遺伝子治療 / in vivo長期遺伝子発現 / phiC31インテグラーゼ / 組織押圧核酸導入法 / 遺伝子機能解析 / 肝臓 / 腎臓 |
Research Abstract |
In vivo遺伝子導入技術は、遺伝子治療、遺伝子機能解析、並びに病態モデル動物開発に繋がることから重要である。そのためには、種々の臓器/細胞に対する外来遺伝子の長期発現系の構築が必要である。phiC31インテグラーゼは、プラスミド上のattB配列と染色体上のpseudo attP配列を特異的に認識し、この配列間で組込みを起こすため、従来の組込み手法と比べ、安全面で優れる。本年度は、phiC31インテグラーゼ発現プラスミド(pCMV-int)に加え、血清を用いた簡便なin vivo長期遺伝子発現の評価法の確立を目的に、attBサイトを含み分泌型タンパクのGaussia luciferaseを発現するpDNAの構築(pORF-GLuc/attB)を行った。ハイドロダイナミクス法により各pDNAをマウス肝臓へ導入し、血清中Gaussia luciferase量を測定したところ、120日間に渡る安定した遺伝子発現の持続が認められた。また、この遺伝子がマウス染色体上のpseudo attPサイトに組み込まれていることを確認し、phiC31 integrase発現pDNAによる長期遺伝子発現の最適な投与条件の構築に成功した。次に、得られた条件をもとに、遺伝子発現と薬理効果の相関関係の評価を試みた。次に、hHGF発現プラスミド(pORF-hHGF/attB)を構築した。先に最適化された条件で投与したところ、肝臓におけるHGFの発現持続化が認められ、また、HGFがゲノムDNA上のpseudo attP配列への組込まれていることを確認した。最後に、腎臓への遺伝子導入法として組織押圧核酸導入法のメカニズムの解明を行ったところ、組織押圧によりプラスミドDNAの腎臓への取り込みが増大し、また、腎臓での転写因子AP-1やNFκBの活性化が本法による効率的遺伝子発現に寄与していることを明らかにした。
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