2010 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固制御因子レジスタンスを検出する新規検査法の開発
Project/Area Number |
22659114
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 明 名古屋大学, 医学部, 助教 (30135371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 教授 (40161913)
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Keywords | プロトロンビン / 遺伝子変異 / 制御因子抵抗性 / 血栓症リスク |
Research Abstract |
アンチトロンビンとの反応性が低い変異トロンビンの存在が示唆された血栓症患者に検出された変異型プロトロンビンを分子生物学的・細胞生物学的手法を用いて合成し、変異型プロトロンビン分子の活性化法、検出法など基本的性状を解析した。 ヒトプロトロンビン(野性型)の全長cDNAをヒト肝臓由来cDNAライブラリーよりPCR増幅し、クローニングベクターpBluescript II KS+にクローニング後、塩基配列を確認した。クローニングした野生型ヒトプロトロンビン全長cDNAを鋳型として変異導入PCR法を用いて変異型ヒトプロトロンビン全長cDNAを作成した。さらに、野生型および変異型プロトロンビンcDNAを哺乳動物細胞用の発現ベクターpDNA3.1および精製用のHisタグ付き発現ベクターpcDNA3.1 myc-Hisに組み込んだ。 野生型および変異型プロトロンビン発現ベクターをヒト胎児由来培養細胞株HEK293に遺伝子導入後、G418によりネオマイシン耐性および培養上清のウェスタンブロッティンブ解析により野生型および変異型プロトロンビン高発現HEK293細胞株を樹立した。 健常人血漿および健常人血漿由来精製プロトロンビンを用いて、Oxyuranus scutellatus蛇毒由来プロトロンアクチベータによるプロトロンビン活性化法についてpH、イオン強度、第V因子・リン脂質の必要性および至適濃度、反応時間などのプロトロンビン活性化至適条件を検討設定した。トロンビン測定法としては、高感度・高精密度が期待できる発色性合成基質を用いた比色分析法について至適条件を検討設定した。 野生型および変異型プロトロンビンを至適条件下に活性化して生成されたトロンビンにアンチトロンビン(ヘパリン存在下および非存在下)を加えて、経時的にトロンビンの不活化動態を解析する測定法を考案した。
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