2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉内 一浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70313153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義春 東京大学, 教育学研究科, 教授 (60251427)
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Keywords | 摂食障害 / 携帯情報端末 |
Research Abstract |
今年度は、初年度であり、目的達成のための基礎的な研究を中心に実施した。まず、治療介入を行うためには、摂食障害の病態および病状の評価を行うことが必要であるが、コンセンサスが得られた方法が存在しないため、先行研究における評価方法・項目の調査、認知行動療法で使用されている技法の文献的調査を行った。また、神経性食欲不振症患者(制限型およびむちゃ食い/排出型)では過活動が病的行動のひとつとして挙げられているが、客観的に評価研究はほとんどないため、介入アルゴリズム作成のための基礎的研究として、加速度計を用いて、2週間にわたって、日常生活下における身体活動を測定した。その結果、体重あたりの消費エネルギーにおいて3群間において統計学的に有意な違いを認めた。さらに、多重比較を用いて比較を行ったところ、神経性不振症の制限型のグループでは、健常群と比較して統計学的に有意に大きく(p=0.01)、また、神経性食欲不振症のむちゃ食い/排出型のグループでは、健常群よりも大きい傾向がある(p=0.096)という結果が認められた。この結果は、従来臨床的な観察で記述されていた神経性食欲不振症患者における過活動という異常行動が、客観的に確認されたという点で意義があると考えられ、さらに、日常生活下における介入の対象となり得ることが示された。次年度は、今年度の結果を元に、日常生活下でのテーラーメイドな介入アルゴリズムを作成することを到達目標としたい。
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