2012 Fiscal Year Annual Research Report
チンパンジーと人間の加齢に関する比較研究-自律神経ならびに高次脳機能
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22659141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤澤 道子 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (00456782)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | チンパンジー / 老化 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
麻酔下でチンパンジーにおける加齢による横断的血圧変化、起立性血圧変動について検討し、また肥満、血糖値、ヘモグロビンA1c、脂質値、血圧など動脈硬化危険因子の相互関連について検討したが、これまでのところ、加齢との関連は認められていない。夜間ビデオ撮影により睡眠障害について検討したが、年齢よりむしろ環境変化が睡眠障害と関連していた。 熊本サンクチュアリ(以下KS)におけるチンパンジーの死因の多くは、以前は感染症、周産期、外傷によるものが多かったが、ここ数年はうっ血性心不全、慢性腎不全、大動脈瘤破裂、悪性新生物など疾患によるものが増加し、加齢により罹患疾患が変化することがうかがわれる。しかし冠動脈、脳動脈、大動脈の加齢による病理学的動脈硬化性変化は、今後の課題である。 さらに原始に近い生活を維持しているインドネシア・パプア州の30歳から80歳までの地域住民を対象におこなった健康診断では、加齢による横断的収縮期血圧の増加はみられなかった。文明社会では、加齢により収縮期血圧が増加し、これは塩分摂取に影響されるとされている。今回調査をおこなったパプア住民もKSで飼育されているチンパンジーも塩分摂取量は非常に少ないため、血圧上昇がみられないものと思われる。このような集団においても、メタボリック症候群の概念があてはまるのかどうかはまだ明らかではない。 しかし、KSにおいて大動脈瘤破裂で死亡した個体では、病理学上人間における梅毒感染者に特徴的な大動脈中膜炎を起こし、肉眼的には高度な動脈硬化性変化を呈していた。これまでチンパンジーには動脈硬化の報告が非常に少ないが、チンパンジーにおいてもある一定条件下では動脈硬化性変化が起こることが判明し、今後さらに長寿のチンパンジーにおいては人間と類似の動脈硬化性疾患が増加するのか、それともチンパンジーでは問題にならないのか今後明らかにしていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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